賃貸を借りる時の火災保険加入は強制!?知っておきたい火災保険について。

賃貸物件に入居するときに火災保険に加入するように言われることはありませんか?

入居の条件として火災保険加入を挙げているところもあります。

ただ、気になるところは、この火災保険の加入は強制なのかという事です。

できれば負担が少ないほうがありがたいのが入居者側です。

今回は火災保険について見ていきましょう。

1. 賃貸物件の火災保険は強制的なもの?

賃貸物件に住んでいる方でしたら、今お住いの物件の契約をしたので経験した方もいらっしゃるでしょう。

もしかしたらかなり前だったという理由で覚えていないかもしれませんが、火災保険についてのやり取りをしたことはありませんか?

もしかしたら言われるがままに契約をしていて、あまりよく覚えていないなんて方もいらっしゃるでしょう。

ただ、やはり言われるがままの契約は本当に何かハプニングがあった時に、本当に自分の助けになる保険かどうかがあまり良く分からないところがあります。

ですので、もしこれから賃貸契約を結ぼうとしているのであれば火災保険について確認しましょう。

ここで気になるのは、火災保険の加入が強制であるかどうかです。

結論から言うと法的な強制力はありません。

加入しなかったからと言って刑罰を受けることはないです。

ですが、賃貸契約を結ぶときの条件として火災保険加入を義務付けているところがあります。

ですので、ここで加入を拒めば入居ができないようになるケースが多いです。

ですので、法的な強制力はなくとも、ほぼ強制であると言ってもよいでしょう。

仮に断ることができたとしても、大家さんにあまり良い心情で見られないことが多いです。

そして結論から言うと、大家さんと借主の間に不動産業者が介入することが多いですが、不動産業者の言いなりに指定された火災保険に加入する必要はありません。

未加入は良くありませんが、必ず指定された火災保険に加入する必要はないのです。

なぜ不動産業者が火災保険の業者を指定するのかというと、マージンの問題が大きいのです。

ですので、支払う金額を見たとき大分相場より高く感じられるケースもよくあると言われています。

契約をした段階で「この火災保険業者で手続きをお願いします。」と当たり前のように言われてしまうケースも多く、「違う保険会社にします。」と言いにくい方も多いと言われています。

ですが、実は「自分に合った保険会社があったので、火災保険の手続きは自分でします。」と言うと、そこまでしつこく食い下がるケースは少ないです。

それは、確かに保険会社とのマージンもあるにはありますが、本業はそこではないので執着しない不動産業者も多いです。

ただ保険会社の手配などもありますので、早めにその事を伝えておくと、不動産業者側も二度手間になることなくスムーズにいきます。

2. 火災保険に入る理由

保険というのはもしもの時に備えて加入するものです。

「もしも」を経験してない状態だと、この保険料という出費が限りになく無駄に感じられて負担したくない気持ちになるのも無理のないことです。

このもしもの時にお金を払うくらいなら、日常生活に使って生活の質を上げたいと願っている人も多いでしょう。

ですが、この「もしも」は突然やってきます。この時に慌てても遅いのです。

だからこそ、保険加入は必要になってきます。

医療保険や死亡保険等もそうですね。病気になるとか突然死んでしまうかもなどとはなかなか思わないものです。

若い世代の方でしたら特にそうでしょう。

ただ、その時は突然にやってきます。

ですので、それに備えて保険加入をしている人が多いです。

人生においてもこのようなリスクを保証する保険があるのです。

住居に関しても人生と同じく様々なトラブルが想定されます。

ですので、やはり保険には加入しておいた方が良いです。

2-1. どんな保障がされるの?

火災保険はイメージ的に火事になった時に保険が出るように感じられますが、車両の飛び込み、破裂・爆発、盗難などの人災や事故、風災・雹災・雪災、落雷などの天災に関してもカバーしています。

最近は高齢化社会であることと、田舎である地域ほどに車がないと生活がままならないところも多いです。

ですので、高齢者の方であっても車の運転をしている方が多いです。

そこでアクセルとブレーキを踏み間違えて住宅に突撃してしまう事故も多く、ニュースになっています。

空き巣などの盗難も、まさか自分がそのような被害にあうとは思っていなかったけれど、思いがけずそのような被害に遭ってしまうことがあります。

ですので、このような事故も他人ごとではありません。

そして、日本は基本的に台風が多い国です。

ですので、台風被害も無視できません。地球温暖化と言われていますが、暖冬があったかと思うと驚くほどに雪が増える等、最近の気候はあまり良く分からないところがあります。

ですので、天災に関してもカバーしている保険は加入しておくと安心です。

このような災害の保障ばかりではなく、様々な保障がありますので必要に応じて加入をしておきましょう。

まず、第一は家財保険です。

こちらは火災に巻き込まれてしまったときにも大変有効です。

後に詳しく触れますが、火災に関してだけ余程の重い過失がない限りは火を出してしまった方の責任を問う事ができない法律があるのです。

ですので、余程の重い過失がない限りは泣き寝入り状態となってしまいます。

ですが、やはり家財がないと日々の生活ができません。

だからこそ、この家財保険が活きてくるのです。

ただ、そんなに家具がない世帯も多いでしょう。

例えば一人暮らしであればその量は知れています。

ですので、もし何かあっても問題ないと思う方でしたら、その補償金額を低めにしておきましょう。

そうすることで保険料も節約できます。

また、家の構造によっても保険料が違ってきます。

燃えやすい木造であれば保険料が高く、そうでもない鉄筋であれば保険料は安くなります。

家ごとにケースが違いますので、必ず見積もりを取りましょう。

次に個人賠償責任保険があります。

ご自身のついうっかりで相手側に損害を与えてしまった場合に使われる保険です。

昨今は自転車などでも、ともすれば死亡事故につながるという事で大問題になりました。

ですので、自転車にもそのように自身が加害者になってしまった時のための保険商品があります。

子供に関する保険でも子供がうっかりと加害者になってしまったときの賠償金を保障する保険があります。

住宅に関してもそのようにうっかり加害者になってしまった場合の補償に関する保険があるのです。

公営住宅の古い建物でよくあるのですが、このようなところは湯船も後付けであるケースが多いです。

そして、洗濯機に関しても専用の排水溝がないところも多いのです。

築年数が新しいところはそのような事はあまりないのですが、古いところであればあるほどにこのようなケースが多いです。

だからこそ、多くの世帯ではお風呂の排水に洗濯機の排水を流すようにしています。

ただ、それが外れてしまって、下の階に住んでいる人の家を水浸しにしてしまう事がよくあります。

県営住宅ではなく排水等に問題はなくても、お風呂を止めるのを忘れたばかりに水浸しになる例もあります。

古い住宅ほどその影響を受けやすい傾向にあります。

ただ、これを直すとなるとお金がかかります。

その点を保障してくれる保険があれば、大家の方も借主の方も安心です。

ただ、多くの方がクレジットカードを保有されていることでしょう。

このクレジットカードが最近いろいろな特典を付けているのです。

保険関係も充実していることがあるので、ともすれば個人賠償責任保険の特典がついていることがあります。

加入前に確認して二重にならないように気を付けましょう。

最後に借家人賠償責任保険です。

これは基本的に借主が立場が強いです。

余程の事でない限り大家は借主を追い出すことができません。

それは放っておくと貸主のほうが立場が強くなり、家を理不尽に追い出される人がいるからです。

ですので、ある意味借主は法律的に守られています。

ですが、そんな立場の強い借主でも何をしても良いわけではありません。

大体の賃貸住宅では原状回復をするという契約をしています。

ですので、多くの人が「自由にリフォームをしたい!」と持ち家を持つ事を検討するようになります。

基本的には返すときには元の状態にするというものです。

ですので、例えば勝手にトイレをリフォームするとか、キッチンを勝手に交換することはできません。

その代わり仮にトイレやキッチンなどの設備が壊れてしまったときは無償で交換してもらうことも可能です。

もちろん、故意や明らかな不注意で壊したという事であれば借主に請求がきますが、普通の使い方をしたにも関わらず壊れたのであれば無償です。

これを火事に当てはめてみましょう。

先ほど火災に関しては、賠償を免除する法律があるという話をしました。

ですので、賃貸物件に関しても大丈夫だと思われがちですが、残念ながらそういうわけにはいきません。

後の原状回復の章で触れますが、基本的に元通りにして戻すという事を約束していますので、火災に関してだと元通りは難しいです。

そして原状回復に関しての法律では、火災の補償を免除するという項目はないのです。

ですので、もし火事で賃貸物件に大幅な修繕が必要になった場合、借主が費用を負担しなくてはいけません。

火災は大幅に建物を傷めるので、その負担額は大きなものになります。

その為に保険は役立つのです。

2-2. 原状回復とは?

では、先ほど触れた原状回復について掘り下げてみていきましょう。

原状回復とは賃貸物件を借りたときによく目にする項目です。

退去するときにその賃貸物件を借りた状態にして返す事を定めています。

そこで心配になるのは、やはり使うことにより傷んでくるところはあります。

ですが、そのように、年数が経過することによって傷んでくるところや使い続ける事で傷んでくるところに関しては、免除されているところがあります。

具体例を挙げると、畳に関してはそこにあるだけで日焼けすることもあります。

ですので、どんなに気を付けて毎日掃除をしていたとしても日焼けを防ぐことは難しいでしょう。

ですので、こちらは元通りにしなくても良いところがあります。

ですが、畳にコーヒーをこぼしてしまった等、借主側の不注意で汚してしまった場合はクリーニングをしたり取り換えるための費用を負担する必要があります。

ただ、少々の事であれば敷金をそれに当てるケースが多いです。

また、カーペットやフローリングなどについた家具を置いた跡は、原状回復をするものとして挙げられないことも多いです。

それはなぜかというと、生活をするときに全く家具を置かないとは考えられません。

ですので、日常生活を送るために考えられる通常の生活を送っていたためについたものと考えられます。

ですが、家具を引きずって移動した等、住人側の不注意で付いた傷に関しては原状回復をするべきものとして扱われます。

よく混同しやすいのは、お風呂のカビや水回りの汚れ等です。

そのような水回りを使うのは普通に考えられることですので、原状回復が必要とは考えにくいでしょう。

ですが、こちらも管理していた借主の手入れ不足という事で、原状回復をするものとして扱われます。

このように原状回復をするべきものと負担しなくても良いものは分かれています。

今回は火災の場合等ですが、火災で損壊した部屋を原状回復するというと並大抵ではありません。

ですので、原状回復するべきものとして該当しなければ良いと思いますが、そうはいきません。

火災に関しては火を起こしてしまった側だとしたら、注意していたら十分に防げたと考えるのが妥当です。

ですので、賃貸物件に関しても借主側の負担で治すことになります。

3. 火事に関する法律をチェック!

明治32年3月8日に火事に関する法律が定められて、平成の今でも特に変更されることなく残っています。

この法律の名前の正式名称は「失火ノ責任ニ関スル法律(しっかのせきにんにかんするほうりつ)」、略して「失火責任法(しっかせきにんほう」です。

法律というと、長々と様々な事が定められているのかと思いがちですが、この法律に関しては非常にシンプルです。

非常に端的に言うと「基本的に火災が起きたときは例え出火元になったとしてもその賠償責任を負う事はない。ただし、重大な過失があった時は例外。」という趣旨の法律です。

通常、何か損害を与えたらその償いをする事が基本です。

我々が一番身近なところだと、例えば既婚者が不倫をしたとしたら、不倫をした側が慰謝料を支払います。

心の傷という見えない所にもこのように定められているのです。

ですので、火災に関しても火を出してしまった側が補償をすると考えるのが自然です。

それにも拘らず、なぜ賠償責任が免除されるのか不思議に思う方もいらっしゃるでしょう。

それは、日本の住宅事情もあります。

過疎地などでしたらその限りではありませんが、日本は国土が狭い上に人口も多いです。

ですので、狭いところにひしめくように住宅が建っています。

例え田舎でも、中古物件販売のサイトを見ると住宅団地をよく目にします。

やはり、住宅地として適切なところというのはある程度きまっているのでしょう。

ですので、一軒火災が発生すると瞬く間に数軒に燃え移ります。

そんなにたくさんの家の賠償というと、目が飛び出るほどの金額になるのは必至です。

多くの場合は払いきれないでしょう。だからこそ、そのような法律が定められているのです。

ですが、だからと言って少しの注意で防げた事に関してまで補償を免れるようでは、被害に遭った側もたまったものではありません。

だからこそ、「重大な過失の場合は除く」と定められているのです。

そこで気になるのは「重大な過失」がどのようなことか、です。

例えばですが、揚げ物をしている時に火をつけたまま長時間キッチンを離れたというのは重過失に含まれます。

ただキッチンを離れる時に火さえ止めれば火災は起きなかったと考えることができるからです。

また、寝たばこも重過失に含まれます。

平成2年10月29日に東京地方裁判所で火災の重過失の判定が出ています。

平成ですので割とつい最近の判例です。

また寒い季節にやりがちですが、石油ストーブを炊いたまま寝た事による火災も重過失に含まれる例が多いです。

乾燥注意報や強風注意報が出ているにも拘らず焚火をする、火が付いたタバコを捨てる等少し気を付けたら起きなかったであろう火災についても、重過失とされます。

ただ、法律面で非常に争点となるのは、責任無能力者の例です。

よく殺人事件の裁判などでも「心神喪失による犯行で、責任能力の有無の鑑定を求めている」等という事を聞いたことがある方も多いでしょう。

例え罪を犯したとしても責任能力がないと判断されると無罪になったり、仮に罪になっても罪が軽くなることがあるのです。

この失火に関する法律にも、責任無能力者の事についても定められています。

一番我々が身近にいる14歳以下の子どもも、責任無能力者になります。

仮にこのお子さんの重過失が原因で失火してしまったとしたら、賠償責任は保護者が負う形になります。

ですが、監督義務者である保護者の監視に問題がないと判断されたら、賠償は免除されます。

精神疾患をお持ちの方も責任無能力者になるケースが多いです。

ただ、昨今の判例などを見ていると、心神喪失による犯行として無罪になっているケースは稀です。

火災ではなく殺人ですが、過去の判例を見ると発達障害という診断が出ている男性が身内を殺害した事件がありました。

彼は発達障害という診断が出ているので、医学的にいうと精神疾患状態であったと言えます。

だからこそ、責任能力が争点となりました。

ですが、遺族の強い希望等もあって責任無能力者とは認められず、最も重い判決が出ました。

ですので、そのように判断されるので大丈夫だろうと過信するのは危険です。

このようなことは起きてほしくはないですが、万が一その当事者になってしまった場合は速やかに弁護士等の専門家に相談しましょう。

また精神疾患というと自分たちには無縁に思いがちですが、認知症になることで責任無能力者となってしまう事も多いですので、決して他人ごとではありません。

親御さんがそうなってしまうかもしれませんし、ご自身がそうなってしまう可能性もあります。

認知症の方による失火も多いです。他人ごとだと思っていたことが自身に降りかかることもあります。

確かに火災に関しては、重過失でない限り免除されることは多いです。

ですが、やはりそのようなリスクがあるのだったら、それを回避するのが一番です。

お年寄りが住む世帯でしたら、なるべく電気を使うものに変えて火を使わずに済む生活環境を整えるなりしましょう。

それにプラスアルファで火災保険もつけておきましょう。

4. 解約時は解約返戻金を受け取ろう

火災保険は、解約時に解約返戻金を受け取ることができます。

火災保険は10年契約、20年契約等と長期であるのが特徴です。

もし持ち家という事であれば、ずっとそのまま住み続ける可能性のほうが高いです。

ですが、賃貸物件となるとフレキシブルに移動ができる事が魅力的なところがあります。

ですので、もちろん長期にわたって住むこともありますが、10年はまだしも20年も住むことは稀でしょう。

そのような特性もあり、火災保険は中途解約も可能です。

その上で返金もありますので、それは頭に入れておきましょう。

ただ、こちらは保険をかけていた人が申し出ないと手続きは進みません。

何も言わずにいると、そのままにされてしまうケースが多いです。

だからこそ、損をしない為にも火災保険に加入しているのであれば、解約の申し出をしましょう。

もちろん、解約金がない例もあります。

それは満期になるまで1か月もない状態です。

この場合はほぼ満期としてみなされるところがあります。

5. まとめ

失火法があるとはいえ、賃貸物件であれば原状回復が定められているので、火災は決して他人ごとではありません。

賃貸を借りる側というと気楽に考えがちなところがありますが、万が一に備えて火災保険加入を怠らないようにしましょう。