賃貸物件には火災保険は必要?分かりやすく説明!

賃貸にお住まいのみなさん、火災保険には加入されていますか?

賃貸を契約する時に、一緒に加入された方がほとんどではないでしょうか。

半ば強制的に入らされた気もする火災保険ですが、実際に必要なのでしょうか?

今回は、火災保険加入の有無について分かりやすく分析していきます。

1. 賃貸の火災保険、絶対に入らないといけないの?

賃貸で部屋を契約する時に、必ずといっていいほど火災保険がセットになっています。

「火事になることなんて滅多にないだろうから、入る必要なんてないんじゃないの?」と考える方もいらっしゃるかと思います。

火災保険加入は義務で、絶対に入らなければいけないものなのでしょうか?

結論を言うと、賃貸を契約する際の火災保険の加入は義務ではありませんし、大家さん側も強制はできません。

しかし、火災保険は加入しておくことに越したことはありません。

なぜなら、火災保険に入らないという選択をすると、あなたの人生を台無しにしてしまう危険を招いてしまう可能性があるからです。

とはいっても、内容も意味も分からない保険料を毎月払わされるのは嫌ですよね。

どうして火災保険に入るべきなのか?

そもそも火災保険とは何なのか?

それでは、順を追ってご説明していきます。

1-1. そもそも火災保険とは?

火災保険とは、名前の通り火事の際に損害を補償してくれる保険なのですが、保証内容は火事だけでなく、落雷、爆発、雪災、盗難、水漏れなど多岐に及びます。

補償対象についても建物に限ったことではなく、家財まで補償してくれる保険もあります。

つまり、火災保険とは「建物や家財を守る保険」なのです。

1-2. 建物に対しての保険ではないことに注意

火災保険は建物を守るための保険なのですが、賃貸の場合、その建物に対する火災保険は、その建物を所有している大家さんしか加入できません。

さらに、民法709条には「失火責任法」という、「万が一火事を起こしてしまっても、火事を起こしてしまった人に重大な過失がなければ、損害賠償責任は負わせない」という法律があります。

つまり、重大な過失がなければ、もし近隣の部屋や家に損害が及んだとしても、火事を起こしてしまった人は責任を取らなくてもいいのです。

建物に対しての保険は大家さんが加入しますし、もし自分が失火者になってしまっても、周りの人たちに補償しなくていいなら、ますます火災保険に入る意味が分かりませんね。

次は、私たちが入る火災保険の内容とその必要性についてご説明します。

1-3. では、なぜ火災保険に入ったほうがいいの?

火災保険には、大きく分けて「家財保険」「借家人賠償責任保険」「個人賠償責任保険」の3つの特約内容があります。

・家財保険

自分が失火者(加害者)になってしまっても、周りの人たちに対しての責任を負わされることはないと先程説明しました。

それでは逆に、自分がその「周りの人」(被害者)になってしまった場合、一体誰がその責任を取って補償してくれるのでしょうか?

残念ながら、誰も取ってくれません。

自分の隣の家の人が家事を起こして、自分の部屋の家財が全て駄目になってしまった場合、それは全て実費になってしまいます。

そんな時に必要なのが「家財保険」です。

・借家人賠償責任保険

お部屋を借りる際に、契約書で「原状回復」という言葉を見かけたことはありませんか?

原状回復とは「お部屋を借りた時と同じ状態で返してください」という意味です。

経年劣化ではなく、借りた人がつけてしまった傷や破損等は、修理してから返さなければいけないという「原状復帰義務」の契約が、はじめに交わされていることがほとんどです。

お部屋が丸焼けになるような火災だとまた話は別ですが、ストーブの消し忘れによるボヤで壁が焼けてしまった場合や、水漏れによりフローリングが破損してしまった場合などがこれにあたります。

たかが水漏れとあなどってはいけません。

ひどい水漏れだと、お部屋のフローリングを全て張り替えることになり、その額は数百万円になることもあります。

火災保険に加入していなければ、この補償を実費ですることになってしまうのです。

大変恐ろしいお話ですね。

・個人賠償責任保険

例えば、お風呂の水を出しっぱなしにしてしまって、下の階の部屋に水が漏れてしまった場合はどうなるのでしょうか?

火災の時は民法709条の適用により、補償をしなくていいことになっていますが、水漏れやその他の損害はそういうわけにはいきません。

そんな時に、個人賠償責任保険が役立ちます。

この保険は水漏れなどだけでなく、自転車事故などの保証も内容に入っており、とても心強い保険なのも特徴です。

1-4. 起こる確率が決して高いわけではないけれど……

総務省が発表した年間の建物火災の件数から、ある世帯が1年間に建物火災に遭う確率は、0.1%にも満たないという計算結果が出ています。

火災に限らず、雷災や雪災や事故などが身近に起こりうる確率は、かなり低いかもしれません。

でも覚えておいていただきたいのは、全く起こらない可能性はゼロではないということです。

そして万が一、災害に見舞われた時の被害は甚大なのものになってしまいます。

2.火災保険に入らなかった場合のリスク

火災保険に入らなかった場合のリスクを、事例を交えながらご説明します。

前述した火災保険内容とも照らし合わせながらご覧くださいね。

・自分が失火(火災)を起こしてしまった場合

自分の部屋で失火してしまい、部屋に損害が出てしまった場合は、大家さんに対して「現状回復義務」が発生してしまいます。

退去の際には、部屋を原状回復をしてから大家さんに明け渡さないといけないことになっているので、火災保険に入ってなければ、多額の損害賠償を背負うことになってしまいます。

・隣の部屋の火災で自分の部屋に損害が出た場合

隣部屋から火が燃え移り、自分の部屋にも損害が出てしまった場合、隣の部屋の住民には民法709条が適用され、損害賠償義務が生じない可能性が高いです。

その場合、とても酷なお話ですが「その部屋の入居者である、あなたに原状回復義務が発生」してしまう可能性があります。

火災保険に入っていなければ、自分の責任ではないのにも関わらず、損害賠償を支払わなければいけないことになるかもしれないのです。

・自分が借りている部屋で漏水を起こしてしまい、下の階の部屋に損害が出た場合

これは先程ご説明した通り、自分の部屋も階下の方の部屋も、全て自分の責任になってしまいます。

リフォーム箇所が広くなればなるほど損害賠償額は高くなり、数百万円以上になることもあります。

3. 火災保険の保険料を安く抑える方法

火災保険の役割と、入らなかった場合のリスクを考えるとやはり加入は必要ですね。

でも、気になるのはやはり保険費用でしょう。

入るのであれば、充実した内容でできる限り安く抑えたいと思われるはずです。

そこで、火災保険料をなるべく抑えて加入できる方法をお伝えします。

3-1. 火災保険は自分で自由に選ぶことができる

実は、必ずしも不動産業者や大家さんが指定した保険に入らなければいけない、ということはありません。

賃貸の契約事項に、火災保険の会社が指定されている場合などは別として、基本的に加入する火災保険は、自分で自由に選ぶことができます。

賃貸契約の時に一緒に契約する火災保険は、だいたい2年更新で年間1~2万円程度である場合が多いようです。

火災保険は様々な保険会社や共済組合が販売していて、金額もピンからキリまであります。

選び方によっては、今までよりかなり安く保険料を抑えることも可能です。

3-1. 火災保険は途中解約できる

保険を見直したいけど、途中解約できるの?

とご心配の方もいらっしゃることと思います。

ご安心ください、火災保険は2年契約なのですが、途中で解約することができる保険です。

そして、契約期間で割った保険料の残額も返金してくれます。

解約方法も不動産屋さんを通す必要はなく、自分の電話一本で済ませられます。

ただし、保険を変更する際は、一応礼儀として大家さんに一言お断りを入れた方がいいかもしれませんね。

言いづらいと感じる方は「親戚が保険会社に勤めていて、そちらの保険の加入をすすめられているので…」と伝えれば、問題ないのではないでしょうか。

3-2. 自分に合った保険に入ろう

補償範囲が広くなると、保険料も高くなってしまいがちですが、必要な補償を明確にし、確認してから契約するようにしましょう。

不動産会社や大家さんが指定する保険会社は、大手保険会社であることが多く、金額が高めに設定されているのが特徴です。

補償も手厚いのですが、自分の家財やお部屋の規模に合っていないこともしばしばあるようです。

例えば、自分の部屋にある家財道具一式の合計金額が100万円程度なのに、400万円を補償してくれる家財保険に入ってしまっているケースがなどが少なくありません。

ですから、自分に合った保険内容を確認していきましょう。

・家財保険の補償金額は自分の家財総額と合っているか?

自分の家具や家電を全て買い直した場合に、どれくらいの金額が必要か計算します。

補償額は100~2000万円程度と、幅広く設定できます。

補償するものは主に家具や家電ですが、30万円を超える貴金属や美術品なども、事前にリストアップしていれば1点100万円まで補償してくれます。

ただ、1人暮らしの相場としては100万円あれば十分ではないでしょうか。

3人暮らしでも、相場は200万円程度といわれています。

しかし、家財道具に関しては、補償してもらわなくても大丈夫、という方も中にはいらっしゃるかもしれません。

そういう場合は、この特約を外した分だけ保険料は安くなります。

・借家人賠償責任保険での補償金額の確認

自分の部屋を1部屋全てリフォームを行うと考えた場合、必要な金額を補償金額に設定します。

ワンルームであれば500万円ほどあれば十分でしょう。

2LDKでも1000万円あれば、丸ごとリフォームが可能です。

ワンルームに住んでいるのに、1000万円の補償額になっていたりはしませんか?

・個人賠償責任保険は最悪のケースも加味して

これは他人のお部屋に対する補償だけでなく、人にケガを負わせてしまったり、死亡させてしまったりした時にも適用される保険です。

最悪な死亡事故なども想定して、1億円程度の補償には入っておいた方がいいかもしれません。

ただ、この特約は自動車保険や、その他の保険の特約としてすでに加入されている場合もあります。

その場合は加入する必要はなく、その分保険料も抑えることができますが、契約内容には微妙な言い回しなども多いので、判断する際は、保険会社の方にしっかりと確認と相談をしながらにしてください。

ご自身の加入されている他の保険とも照らし合わせて、一番いい方法を選んでくださいね。

4.まとめ

ざっと火災保険についてご説明してきましたが、「火災保険は入らないのではなく、自分に合った内容と金額で加入すべき」という結論で締めくくりたいと思います。

内容を理解して正しい選び方さえすれば、負担なく自分や家族を守ることができるのです。