住民税の仕組みを理解して都民税を自分で計算しよう!所得割と均等割の違いとは?

税金

住民税は、私たちが暮らしていく上でとても身近な税金です。

しかし、住民税のことをどれだけ知っているでしょうか?

そもそも住民税とは、都民税を含む道府県民税と、市町村民税からなる税金の総称です。

しっかりと住民税の仕組みを理解すれば、自分で計算ができるようになり、節税対策にもつながるでしょう。

 

1. 【都民税を計算しよう】住民税ってそもそもどういうもの?

個人にとって一番身近な税金と言えば、消費税・所得税・住民税の3つではないでしょうか。

どの税金も、ほぼ名称通りの意味で徴収されていますね。

消費税は、物品を購入したときに支払う税金です。

所得税は、収入を得たときに支払う税金のことです。

では住民税とは、いったいどういうものなのでしょうか。

住民税とは、地方税の1つを指します。

この地方税は、道府県民税と市町村民税との2つに分かれており、これらを総称して住民税と呼んでいます。

この住民税は、個人・法人どちらにも課される租税のため、支払い期日までにきちんと納税しなければなりません。

課税対象は、道府県や市町村の区域内に住所や事務所などを持っている人で、地方公共団体から納税通知書が送付されます。

サラリーマンの場合は、住民税が毎月の給与所得から天引きされている場合が多いでしょう。

東京都および特別区の場合も同じ規定が準用されており、都民税・特別区民税を総称して「住民税」と呼びます。

1-1. 「所得割」と「均等割」

住民税の納付先は、地方公共団体です。

計算方法としては、「所得割」と「均等割」の2つを合算して税額を決定します。

では、所得割と均等割とは、いったい何なのでしょうか?

  • 所得割

まず、所得割とは、前年の所得に対して課税されるものです。

計算式は下の通りです。

所得割額=(前年の所得金額-所得控除額)×税率-税額控除

前年の所得金額から所得控除額を差し引いたものに税率を乗じて、そこから税額控除を差し引きます。

所得控除は、基礎控除以外に、社会保険料控除や生命保険料控除、配偶者控除などがあります。

主な所得控除を一覧にまとめてみました。

  • 基礎控除(33万円)
  • 社会保険料控除
  • 生命保険料控除
  • 配偶者控除
  • 扶養控除
  • 小規模企業共済等控除
  • 医療費控除

サラリーマンの場合は、年末調整でこの所得控除が適用されますが、医療費控除などを入れたいときは確定申告をする必要があります。

税額控除とは、課税所得金額に税率を乗じて計算したものから、一定額の控除を差し引くことを言います。

税額控除の代表的なもの言えば住宅ローン控除でしょう。

  • 均等割

均等割は、所得に関係なく定額で課されます。

ある一定以上の所得がある場合は、みんな同じ金額が課されるため、住民税の基本料金のような意味合いが強いかもしれません。

都道府県民税の場合だと1,500円で、市区町村民税は3,500円となっています。

(※2018年の時点です。均等割額には、復興特別税が500円ずつ含まれています)

参考サイト⇒東京都主税局・個人住民税

1-2. 所得割は前年の所得が関係する?

所得割は、原則として前年の所得金額に応じて課税されます。

たとえば、所得税はその年の所得金額に対して計算されます。しかし、住民税は「前年」の所得金額から計算されるため、前年の所得が多ければ住民税も高くなるでしょう。

 

もし仮にサラリーマンが失業してしまった場合は、前年の収入が多ければ住民税の課税金額も高くなるため、翌年の支払いが大変になるかもしれませんね。

 

1-3. 住所地について

 

住民税が課税される場所は、1月1日の時点の住所地となります。もし、1月2日に他の道府県や市町村に引っ越しをした場合は、引っ越す前の住所の地方公共団体から住民税の請求が来ます。

 

住民票を移し忘れていた場合も同様ですので、引っ越しをしたときは、できるだけ早めに転出・転入届を出しておきましょう。もし届けを忘れていた場合でも、旧住所と新住所の両方の地方公共団体から二重請求されることはありません。

 

2. 【都民税を計算しよう】住民税の計算方法

 

都民税を含む住民税は、所得割額と均等割額の2つから成り立っています。住民税の計算式がわかれば、自分でも課税金額を算出することができるようになります。

 

所得税額の計算式は、前述の通りです。

 

所得割額=(前年の所得金額-所得控除額)×税率-税額控除

 

住民税の税率は10%です。内訳は、東京の場合だと都民税4%、市区町村税6%となっています。

 

①まずは給与所得金額から計算します。

 

サラリーマンで、前年の収入が500万円の場合を見ていきましょう。もし、源泉徴収票があれば、そこに掲載されている「給与所得控除後の金額」の箇所で確認できます。

 

国税庁のwebサイト・給与所得控除のコーナーでは、所得金額を算出できる早見表が掲載されています。この早見表を活用してみましょう。

 

参考サイト⇒国税庁(給与所得控除)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm

 

前年年収500万円×20%+54万円=給与所得控除額154万円

前年年収500万円-154万円=給与所得額346万円

 

②次に、所得控除の額を計算しましょう。

所得控除は、基礎控除や社会保険料控除などがあり、それらを所得金額から差し引くことで算出できます。

ここでは、仮に所得控除の額を180万円とします。

 

③課税される額を計算。

 

給与所得額346万円-所得控除額180万円=課税所得金額166万円

 

④調整控除額を計算してみよう。

 

所得税と住民税の間には、基礎控除などの人的控除額に差がついてしまうため、同じ所得金額でもそれぞれ異なってきます。これらの差を少しでも減らすために、調整控除額という制度が作られました。

 

課税所得金額が200万円以下の場合

  1. 人的控除額の差の合計額
  2. 課税所得金額

1と2のいずれか少ない額の5%

 

課税所得金額が200万円を超える場合

  1. 人的控除額の差の合計額
  2. 課税所得金額-200万円

1と2を引いた額の5%を税額から控除

 

今回の例は、細かく人的控除額の内訳を出していないため、ざっくり33万円とします。

 

人的控除額33万円×5%=調整控除額1万6,500円

 

(※課税所得金額が166万円なので、200万円以下の場合で計算しています)

 

⑤最後に、住民税の計算をしましょう。

 

必要な数字が出そろいましたので、これで住民税の計算をすることができます。

 

  • 都民税

 

課税所得金額166万円×4%+所得割額1,500円=6万7,900円

 

  • 市区町村民税

 

課税所得金額166万円×6%+所得割額3,500円=10万3,100円

 

合計17万1千円

 

ここから最後に調整控除額を差し引きます。

 

17万1千円-1万6,500円=15万4,500円

 

この15万4,500円が、住民税額となります。

 

3. 【都民税を計算しよう】住民税の納め方

 

住民税の納付は、特別徴収と普通徴収の2つに分類されています。

特別徴収の場合は、主にサラリーマンの方で、会社から支払われる給与から天引きされていることがほとんどでしょう。

 

普通徴収は、納付書を利用して一括または分割で納税することができます。分割の場合は4期に分けられており、それぞれ指定された期日までに納税しなければなりません。

 

納付書の裏に記載されている、指定の金融機関の窓口やコンビニエンスストアなどで現金で納付します。一部の市区町村ではクレジットカードでの決済も可能ですが、もしカード払いが不可能な場合でも、電子マネーを使って納付することもできます。

 

4. 【都民税を計算しよう】住民税にも復興増税がかかる⁉

 

東日本大震災の被災者を救援するため、その財源確保を目的として復興特別税が始まりました。

これは、平成26年から平成35年までの10年間、適用されます。都道府県民税と市区町村民税それぞれの均等割額に500円ずつ増税されています。

 

5. まとめ

 

暮らしていく上で身近な税金といえば住民税。内訳としては道府県民税と市町村民税とに分かれていますが、これを総称して住民税と言われています。

 

それぞれ税率が異なり、所得割額や均等割額などの計算式も違います。住民税の計算は複雑なように思えますが、一通りの計算式を知っておけば、けっこう簡単に算出することができます。

前年の所得金額に応じて計算されるので、仕事を退職したり、今後の転職を考えている場合は注意が必要です。

 

また、1月1日時点での住所地に対して住民税が請求されるため、引っ越しをした場合は速やかに転出・転入届を出しておかなければなりません。納税方法は、給与から天引きされる場合と、納付書を利用することで納税できます。

 

住民税は、身近な税金のわりにはなんだか複雑そうで、よく理解できていない方も多いでしょう。しかし、基礎的な仕組みを知っておくと自分でも住民税の計算ができるようになります。

特別控除などを利用すれば節税対策にもなるので、住民税の仕組みを理解すれば、一緒に暮らす家族のためにも役立つ知識と言えるでしょう。